
おなじみアスエコさんのセミナー
今年は、国際生物多様性年でもって、今月は名古屋でCOP10も開かれますが、分かり難いのです、伝えにくいのです「生物多様性」
今回は、そんな生物多様性とビジネスとの関係のお話でした。
その道の第一人者「足立直樹」の講演のあと、岡山県内で生物多様性保全の取り組みを行っているNPO法人、企業、行政を交えたシンポジウムでした。
足立さんの話は分かりやすかったですね。
簡単にまとめると、
生物多様性の保全を放っておく
→ 原料輸入や製品の輸出、銀行融資までできなくなる。大きなリスク!
→ 自分達の仕事が生物多様性との係わりを調べ、影響を回避する取り組みを!
→ 今ならまに合う!
てな感じでしょうか?
欧米企業は、既に生物多様性リスクを重視しているようで、お店でも生物多様性に配慮した商品が溢れて、今後さらに広がっていくようです。>日本ではスーパーの片隅にちょこっと。
この辺りは、NPOの社会との関わりの違いが大きいようで、欧米ではNPOの活動が資本活動に大きな影響を与えているためだそうです。
NPOがリスクを市民へ啓発し、企業にも圧力をかける。
→ 企業もリスク回避のため対応せざる終えない。
日本は、この仕組みがまだまだで、いわゆる業界の「声」の方が大きいんですよねえ。市民にとっても対岸の火事。実際、生活していてリスクが見えないし、情報も分かり難い。
多分、近いうちに国内企業は生物多様性保全の対応で大慌てをはじめるでしょうから、それからやっとマスコミが本格的に騒ぎはじめ、初めて国民的課題となって行くんでしょう。
やっぱり、「黒船」が来ないとダメなんでしょうねえ。
シンポジウムは、色々な県内の先進事例が聞けて面白かったのですが、やはり特殊な事例が多いんですよねえ。先進的だからまだ特殊なのは当たり前なんですが、一般に広がっていくためには、もっと取り組みやすい仕組みやもっと分かり易い考え方が必要なんでしょう。
本当は、このシンポジウムでその辺りのヒントを掴みたかったのですが、問題提起、事例紹介までで終わってしまったところが消化不良でした。
例えば、大きな企業はCSRで生物多様性の保全に取り組みますが、それは、本社が決めること。また、原材料などへの対応は、国外対応が主だと思います。
対して、岡山のような地方都市は、支店や事業所など末端組織が多い。
その企業の生物多様性に対する取り組みが、本社では行われていても、支店、事務所のお膝元では展開されにくいのです。
地元の企業での展開が弱ければ、市民への啓発・意識の浸透も低くなってしまいます。
この辺り、主に行政が取り組むところでしょうが、行政だけの取り組みだと弱いんですよねえ。逆に、会社なり商売に絡んでくると、早い早い。
そりゃあ、自分家のお父ちゃんの会社が自分家の地元で取り組んでれば、家族はみんな意識しますから。
地球温暖化問題だと、やれ暑いだの、省エネすればお財布にもエコだの割と市民レベル身につまされる話題が多いんですが、生物多様性はなかなか身近ではない。
自分家の隣の田んぼが駐車場になっても、どれくらい自分の生活に影響があるかなんてわからない。家に入ってくる虫が減ったりするくらいで、逆にラッキー!
と思う人がいるかもしれない。
普段着ている下着のために、外国の土地がどれだけ汚染されているかわかる分けない。(シンポジウムに参加した学生服でおなじみのトンボさんの話では、原料の綿がどんな育てられ方をしたかはもちろん、どの国で栽培されたかすら全て把握することは不可能らしいです。)
でも、本当は、海外だけでなく、身の回りの生き物の多様性が、今現在でも、とんでもないスピードで失われ続けていて、そのことが回りまわって自分たちの生活に影響してくるん、ですけどねえ。
環境省からも民間企業向けの生物多様性民間参画ガイドラインが示されてますけど、当然のごとく優等生な事例ばかり。
まだまだ知恵を絞らないといけないようです。課題山積(--;
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